日本の年金制度は期待できないし、保険会社への積立ても大して増えない、そんな日本の中で考えるよりは海外のオフショア年金積立てという複利や非課税を活用できる素晴らしい金融機関への積立てがあります。これから海外のオフショア年金積立てを検討される方は、どのようなポイントを抑えて選ぶのか、今回はそのポイントをまとめてみました。
海外の投資案件にオフショア年金積立てがあります。変額年金積立てであるため元本は保証されませんが、IFAというプロに運用を任せるため、毎月の積立てだけをしていればあとは全てやってくれる、といった感じです。
積立てする先は保険会社や信託会社といった金融機関です。加入者は積立金を直接金融機関に預けますが、数ある運用先(ファンド)を加入者自ら選択するのは難しいので、一般的にIFAが仲介に入り加入者の代わりに運用してくれます。
オフショアという特性を活かせるため、海外では非課税です。私が積立てしているフレンズプロビデントはイギリス領にあたるマン島にあり、マン島はオフショアの地域として指定されているため、運用により利益が生じても海外では税金がかかりません。
フレンズプロビデントといった保険会社(金融機関)である海外のプロバイダーは、これまで日本人の加入も受け付けてくれていましたが・・・
・フレンズプロビデント
・スタンダードライフ
・ハンサード
・チューリッヒ
上記のプロバイダーは日本人の受付を終了し、現在は新規で加入することができません。現在、日本人の加入を受け付けてくれるプロバイダーとしては・・・
・サンライフ
・エフティーライフ(旧アジアス)
・RL360(ロイヤルロンドン)
・インベスターズトラスト
・メティス
上記の5社になります。このうち、日本からの郵送で加入が可能なのは、RL360、インベスターズトラスト、メティスの3社です。残りの2社は香港に渡航して現地での申し込みのみ受け付けてくれます。
いずれかのプロバイダーに加入するのと同時にIFAも選択しなければいけません。IFAとはインディペンデントファイナンシャルアドバイザーと呼ばれる、加入者の代わりにプロバイダーに取り次いでもらいながら運用してくれる代理店です。
ですので加入者が直接プロバイダーと連絡を取り合うことはまずなく、質問等連絡はIFAとのやり取りになります。そのためIFAは日本語でしっかりサポートしてもらえるところを見つけるのがベターと言えます。
私が運用を任せているアテナベストは香港にあるIFAです。といっても多くのIFAは香港にあるわけですが、アテナベストは日本語対応がしっかりしていて、年に2回の運用報告会を日本の各主要都市で開催しています。その半年間、運用が悪かったとしても正直に報告と今後の見通しや戦略のお話をしてもらえるので、非常に信頼できるIFAです。
このように、オフショア年金積立てによる運用成果は、プロバイダーによって決まるのではなく、IFAの運用手腕によって決まるのです。フレンズプロビデントのようなプロバイダーは数ある運用商品を提供してくれるプラットフォームであり、その中の運用商品をどのように選ぶのか、或いはどのように組み合わせるのか、IFAの運用手腕によって私達加入者の運用成果が変わってくるのです。
プロバイダー選びの基準とは・・・?
では、プロバイダーを選ぶ基準はどこにあるのでしょうか?IFAによって運用成果が変わるなら、プロバイダーはどこだって良い、とも受け取れますよね。プロバイダーを運用面で比較することは不可能です。プロバイダーを選ぶ判断基準として抑えておくべきポイントは、手数料と積立通貨です。
まず手数料についてですが、IFAは加入者の積立てをプロバイダーに仲介しているため、IFAはプロバイダーよりコミッションを受け取っています。そのコミッションの源泉となるのはやはり加入者の手数料です。私がフレンズプロビデントに支払っている手数料がIFAであるアテナベストにも流れている、といった感じですね。
加入者が支払う手数料 ⇒ プロバイダー ⇒ IFA
プロバイダーにしてもIFAにしても売上利益は当然手数料であり、負担するのは当然加入者です。加入者からすると良いサービスを受けて、手数料はなるべく安いほうが良いですよね。しかし手数料の大小は、プロバイダーとIFAが手数料を取る仕組みになっている以上、トータル的にはそれほど違いがないのが現状です。
しかし、仮にメティスをプロバイダーとして選択すると、支払う手数料はプロバイダーのみとなり、IFAに支払う手数料は発生しません。
加入者が支払う手数料 ⇒ プロバイダー
のみになります。これは、メティスはIFAであるアテナベストが作ったプロバイダーだからです。手数料に関して言えば、支払う先が一つ減ったので当然加入者の負担も少なくなります。5社あるプロバイダーのうち、この仕組みは現在メティスだけです。
次に積立通貨です。各プロバイダーによって、積立てできる通貨の種類は決められています。米ドルや香港ドル、ユーロといった外貨を選んで、その通貨をプロバイダーに積立てていきます。
しかし私達日本人であれば、最初に出す通貨は日本円ですよね。米ドルを積立てる場合なら、日本円を一旦米ドルに両替してからになります。当然積立てる額は毎月一定なので、500USDなら毎月日本円を500USDに両替して積立てることになります。
ところが、積立てる額が毎月500USDでも、常時為替は変動しているため、預ける日本円の額は一定ではありません。長期で積み立てていくので、年月が経てば500USD=50,000円だったのが、500USD=70,000円になってしまい、5万円の積立てだったのがいつの間にか7万円の積立てになっていた・・・なんてこともあり得る話です。
積立て額を一定にしたいのなら、外貨の積立てではなく、円貨の積立てにしないといけません。そのためには、プロバイダーが日本円での積立てを用意しているところでないといけません。
現在日本円での積立てが出来るプロバイダーはメティスとRL360です。特にメティスは日本国内の口座から引き落としをかけることができて便利なことと、運用を任せるIFA選びで迷う必要がありませんので、お勧めではないでしょうか。
因みに積立て通貨が何であっても、運用成果は投資するファンドによって決まるので、積立てる通貨の違いにより運用成果が変わってくる、なんてことはあり得ません。
毎月の積立てはクレジットカードでなく口座振替で
毎月の積立方法は口座振替で行うべきです。理由は、クレジットカード送金だと毎月カード手数料がかかるからです。クレジットカードはこういった送金にも使えて便利ですが、その分手数料が高くかかってしまいます。
また、積立て通貨が外貨、例えば香港ドル(HKD)の場合、クレジットカードを利用して日本円(JPY)から香港ドル(HKD)に両替する際に、基軸通貨である米ドル(USD)を経由して両替されるので、その分両替手数料が更に高くつきます。
これはかなり勿体ないです。1回きりのものなら良いですが、毎月クレジットカード送金を繰り返していると、手数料で運用成績の足を引っ張ることになります。そうならないために、口座振替にしておけば無駄なカード手数料を削減することが可能です。
私もHSBCの口座からフレンズプロビデントへ毎月自動引き落としで積立てがされているので、無駄なカード手数料はかかっていません。ただ、ずっとほったらかしにして残高が足りなくなって必要な引き落としがされなかった、なんてことにならないように、口座の残高だけは注意しておかなければいけないです。
また、私は香港ドルで積立てをしているため、HSBCの口座から香港ドルが引き落とされるのですが、結局は日本円を両替して香港ドルをHSBCに入れないといけないことになりますよね。私の場合は別の投資案件があり、その配当が香港ドルで毎月HSBCに入るようになっているので、日本円も米ドルも関係なく、純粋な香港ドルオンリーの積立てが出来ています。
ただ、最終的には日本円で受け取る必要があるため、円での積立てのほうが損益計算もわかりやすく、これから始めようとされている方には円での積立てがお勧めかもしれません。
まとめ
複利運用で年利10%を目指したいところですが、冒頭にも書いたようにオフショア年金積立ては元本保証ではありませんので、元本割れといったリスクもあることを頭に入れておかなければいけません。
また、オフショア年金積立ての運用がいまいちの人はフィリピン、オウン銀行の年利10%ある高金利な定期預金に積立てを移すことも一つの手だと私は思っていますし、実際そうされている人もいるようです。
私はオウン銀行の定期預金も、フレンズプロビデントへの積立てもしていますが、分散という意味でこのまま両方持っておきたいと思っています。
海外のオフショア年金積立ては最初の選び方が肝心です。20年や25年といった長期で積立てをするなら慎重に考えておきたいところです。是非プロバイダー選びの参考にされてください。
また、実際される場合は、自己責任でよろしくお願いしますm(_ _)m