オフショアに対する税金はどうなる?CRSとは?

オフショアに対する税金はどうなる?CRSとは?

海外で運用や積立、投資をしている人であれば必ず出てくるオフショア、若しくはタックスヘイブン。最近メディアでも取り上げられているこれらの言葉ですが、関係するのは富裕層だけではありません。現在のオフショア・タックスヘイブンに対する取り決め、それに関連するルールはどのようになっているのでしょうか。

オフショアに対する税金と新しい取り決めを正しく理解しておく

オフショアとは、ある地域が海外から投資家や企業を受け入れて自国で取引してもらうことによって、経済発展を促そうとする地域のことです。

投資家や企業には、そのオフショア地域で投資や事業展開で得た利益に税金がかからない、或いはかかっても少しで済むというメリットがあり、富裕層だけでなく海外への投資を好む人たちから積極的に利用されている、というのが現状です。

オフショア地域は国が特別金融区として指定しており、日本から一番近いオフショア地域が香港です。香港のすぐ隣のマカオもオフショア地域です。世界でみるとで40箇所以上に点在します。以下は代表的なオフショア地域です。

アジアのオフショア地域【香港・マカオ・シンガポール・他】
ヨーロッパのオフショア地域【マン島・ジャージー島・スイス・他】
中央アメリカやカリブ海周辺【パナマ・ケイマン諸島・他】

このようにオフショア地域では租税環境に優遇措置があるため、別名タックスヘイブン(租税回避地)とも呼ばれ、オフショアとほぼイコールの意味だと思ってもらっても良いと思います。

オフショア地域で非課税でも日本では課税対象になる

投資家によるオフショアの魅力とは、安全性・秘匿性・課税優遇です(正確には「でした」過去形、後半で記述します)。オフショア地域で資産運用することで、自国とは切り離されて資産が安全に運用され、その運用益に対しては非課税となります。

誰がどこでどれだけの運用益を上げたのか、わからないのが秘匿性です。これによって、日本の国からは「あなたはこれだけの利益を海外であげたのでこれだけの税金を払ってください」と言われることはありません。

例えば、イギリス領に当たるマン島はオフショア地域として有名ですが、そのマン島にあるフレンズプロビデントという保険会社に積立てをして運用してもらいます。積立ての満期を迎えて元本と運用益をオフショアの地域で受け取ったとしても、その運用益は非課税で且つ、秘匿性により外部に情報が流出することがありません。

しかし誤解してはいけないのが、オフショア地域で非課税であっても日本国内で納税する義務があるということです。厳密に言うと日本に居住している限りはどこの国で運用益をあげたとしても自国の日本に納税を申告しないといけない、ということです。

オフショアの国に対しては納税の義務はありませんが、日本の国には納税義務があるということです。逆に言うと、運用益非課税の恩恵をフルに受けるためには、その地域に住所を移さなければいけません。

これが日本とオフショア地域による課税、非課税の仕組みです。せっかくオフショアで非課税なのに~って感じですね(汗

更に、各国間で厳しい取り決めが・・・

脱税や資産隠し等を防止する目的で、各国がCRS(Common Reporting Standard)の導入を開始しました。オフショアの魅力は安全性・秘匿性・課税優遇と言いましたが、秘匿性に関してはこのCRSによってなくなってしまったと考えなくてはいけません。

CRSは共通報告基準といって、これに参加する国は金融機関の口座情報を共有することになります。つまり、その外国人が居住している国と口座を開設している国がどちらもCRS参加国であれば、外国人の口座情報はその2国間で共有されるというものです。

これまでオフショア地域で上げた運用益は秘匿性によりわからなかったため、運用益に対する納税は個人の申告に任されていたものが、このCRSにより国が把握できる状態となったわけです。情報共有されるのは口座名義人口座残高です。

CRSに参加している国は現在で約100ヶ国あり、日本香港も参加国です。香港にある大手銀行HSBCの日本人口座は、HSBCが日本にその口座情報を報告する義務があり、2国間で共有されることになります。

今年2017年からCRSによる口座情報の共有は開始され、各国の金融機関がすでに動き始めています。日本と香港は2018年からの始動が決定されています。情報共有される口座情報はどの時点のものかわかりませんが、2016年末時点のものとも言われているようです。

これによってオフショアの国でもそうでない国でも、日本がCRS参加国であるため、私達日本人が遠い国で口座を開設してもその国がCRS参加国であれば日本国にしっかり把握されるということですね。

ほとんどの主要国はこのCRSに参加していますが、身近なところで参加していない国はアメリカフィリピンです。どうなるかはわかりませんが、アメリカは異を唱えて新たな世界基準を作るかもしれませんね。

海外へ投資や資産運用をしている人にとっては気になるところかもしれませんが、しっかり日本に税金さえ納めていれば何も問題はない、ということだと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

誰もやらないようなことを好んでやるタイプの人間のため、投資や運用で成功失敗を繰り返す。株の研究にも熱心に取り組み、こちらも勝ち負けを繰り返すが、今はそんなリスクを冒さず安定した運用のみ手掛ける。海外旅行大好きで誘われたら断れないタイプです。