預金保護とペイオフは同じ意味?正しい使い分けは?

預金保護とペイオフは同じ意味?正しい使い分けは?マネー

本サイトでもよく出てくる「預金保護」という言葉と「ペイオフ」という言葉があります。ふと、この2つの言葉の意味についてちゃんと正しい使い方をしているのかと思い、調べてみることにしました。今回は預金保護とペイオフという2つの言葉について、その違いを詳しく見ていきたいと思います。

預金保護とペイオフは同じ意味?正しい使い分けは?

銀行が倒産する話になると出てくるのが「預金保護」と「ペイオフ」ですよね。これは日本語と英語だけの違いで、どちらも同じ意味なのでしょうか?

もしかしたら同じ意味で使われている方がいるかもしれませんが、実は会話の流れでおかしな使い方をしてしまっている場合があったりします。

まぁどちらも普段あまり使わない言葉なので気にすることもないと思いますが、読んでもらえればペイオフという言葉について理解が深まると思います。

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「ペイオフ」の本来の意味は?

「預金保護」はその文字の通り、預金を保護するという意味ですよね。「預金保証」「預金保険制度」という言い方も聞きますが、どれもほぼ同じと考えて良いでしょう。

では「ペイオフ」ですが、英語で書くと「Pay Off」です。「ペイオフ解禁」という言葉を聞いたことがあると思います。2002年4月よりペイオフ解禁となりました。もうずいぶん前ですね。

では、昔の「ペイオフが解禁されます!」というニュースを聞いた我々預金者は、「やったー!(喜)」だったのか、「えーっ!(悲)」だったのか、どちらの反応が正しかったのでしょうか?

答えは「えーっ!(悲)」のほうです。(こういう書き方のほうがわかりやすいですよね・・笑)

実はこのペイオフという言葉、非常にわかりづらいものなのです。一般的には、下記のように説明がされています。

「ペイオフとは金融機関が倒産した場合に、1,000万円とその利息分までを保護する制度」

若しくは、

「金融機関が倒産した場合に、預金保護として預金者に支払われることをペイオフという」

ということは、「ペイオフ=やったー(喜)」ではないのでしょうか?(すみません、こういう表現のほうがわかりやすいかと・・笑)

2002年4月まではペイオフは凍結されていました。言い換えると2002年4月までは金融機関が倒産しても預金者の預金は全額保護されていたのです。それが2002年4月から全額保護されなくなったのです。そのときのニュースの見出しが「ペイオフ解禁」です。

何かおかしくないでしょうか??これだと「やったー!(喜)」にも、「えーっ!(悲)」にも受け取れますよね。「ペイオフ凍結」から「ペイオフ解禁」に変わったのです。解禁になって1,000万円を超える預金は保護されなくなったのです。

ペイオフ解禁は我々預金者にとっては嬉しくない出来事です。それなのに上のペイオフの説明では、ペイオフは我々にとってありがたい制度と受け取れてしまいます。

しかし実際には、ペイオフにより1,000万円以上の預金が保護されなくなったということから、1,000万円以上の保護されない金額のことをペイオフという解釈をするほうが正しいのではないでしょうか。

ペイオフ制度

ペイオフという言葉には2つの意味がある

実は日銀のHPを見ると、ペイオフという言葉には元々「2つの意味」があると書いてあります。

日銀のHPより
ペイオフという用語は、次の2つの意味で用いられることがあります。

金融機関が破綻した場合の破綻処理方式の1つとして、保険金を預金保険機構が直接預金者に支払う方式を指すことがあります。

また、金融機関が破綻した際に、預金等の一定額しか預金保険による保護の対象にならないこと(換言すれば、預金者に損失の負担が生じ得ること)を指すこともあります。

と、言うことは・・・どちらが正しいのかかなぁと、疑問に思っていたことの両方が書かれていました。この日銀の説明をもっと短い言葉にすると、

前者・・支払うことをペイオフという
後者・・支払わないことをペイオフという

う~ん、これ以上深く考えると益々深みにはまりそうだ(汗)しかしこれでペイオフという言葉のニュアンスが感じ取れたのではないでしょうか?

これまで何気に使っていたペイオフという言葉、もしかしたら間違った使い方をしていたかもしれません。

間違った使い方

「この国(海外)の銀行の預金に対してのペイオフはありますか? → いえ、ペイオフはありません。」

これだと、どちらのことを言っているのか全くわかりません。ペイオフがないということは、ペイオフ凍結という意味で捉えた場合、全額保護されることになります。逆にペイオフ制度自体がないという意味で捉えた場合は、保護される金額がゼロということになります。

このように、どちらの意味にも捉えられるような言葉の使い方では正反対の認識をしてしまう恐れがあります。これを次のように置き換えれば良いのではと思います。

「この国(海外)の銀行の預金に対しての預金保護はありますか? → いえ、預金保護はありません。」

これだと誰が聞いても同じ認識を得ることができますよね。ちょっとした違いかもしれませんが、相手に間違いなく伝わるような預金保護とペイオフの言葉の使い分けをしなくては、と思った次第です。

まとめ

ちょっと書いてるうちに自分でも何書いてるのか混乱しかかってしまいましたが(汗)

とにかくペイオフという言葉の使い方は少々ややこしいです。ですが、ペイオフという言葉を聞くと預金の保護される金額と保護されない金額のことを言っているんだなと、勝手に想像が付くので会話の中ではスルーすることも多いと思います。

しかしちゃんとした使い方を意識するなら、「ペイオフ」という言葉を使わないで全て「預金保護」に置き換えればそれで済んでしまいます。「この国のペイオフはいくらまでですか?」と聞くより「この国の預金保護はいくらまでですか?」と聞いた方がちゃんと伝わりますよね。

こうやって書いてみると、何故「ペイオフ」という言葉が出来たんだろうと思ってしまいます。ペイオフ制度?預金保護制度で良いじゃないかって(笑)

今回はペイオフについて、日常何の役にも立たない雑学になってしまいましたが、これから周りの人がどんな使い方をするのか、ペイオフという言葉が出てきたら意識して聞いてみても良いかもしれないですね。

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