金融資産の分散を考えるなら、全体の1割程度は仮想通貨として持っておきたいところ。これまでも仮想通貨を持つことについて、いくつか記事を書いてきましたが、仮想通貨に関わっている人たちはただ単に持っているだけでなく、売り買いを何度も繰り返しているトレーダーの方たちもおられます。
よく仮想通貨を売らずにそのまま持ち続けることをガチホと言いますが、ガチホする人と売買を繰り返すトレーダーとではどのようなところに違いがあるのでしょうか。投資、投機は自己責任でお願いします。
金融資産全体の約1割は仮想通貨(暗号通貨)として持っておきたい、ビットコイン、イーサリアム、リップル等、当然ですが株や為替と同じく円に対して値段が上がったり下がったりします。
これから買いたい人は安く買いたい、既に持っている人は高く売りたい、取引市場に参加している人は安く買って高く売りたいと、全員がそう思っています。それは株やFXと同じく全員が勝つということはなく、また全員が負けるということもありません。
買ったらいつかは売ることになりますが、それを行うための方法として大きく2つに分けることができます。短期トレードと長期保有です。中間のスイングトレードと呼ばれるものもありますが、わかりやすく短期トレードと長期保有の2つを見てみたいと思います。
短期トレードで勝ち続けるのは至難の業
現在、BTCFXが人気を博している仮想通貨界隈ですが、市場参加者は明確に勝ち組と負け組に分かれます。理由は、短期トレードはゼロサムゲームに近いからです。負けた人のお金が勝った人の口座に入る、ただそれだけです。
ゼロサムゲームとは、そのゲーム参加者のお金を100とすると、その100を奪い合うゲームということです。ゲームを始める前のお金の合計が100万円なら、ゲーム終了後勝った人と負けた人のお金を合計するとこれも100万円、これがゼロサムゲームの特徴です。
短期トレードは寧ろマイナスサムゲームです。なぜでしょうか。取引に参加している人達のお金の合計が100であれば、取引終了後に残っているお金は100ではないからです。取引所が取る手数料が市場から消えます。100のうち取引所手数料が1とすれば、残りの99のパイを取り合うことになります。
勝った人はその利益から税金を払うので、市場全体のお金は更に減ってしまいます。そのようなマイナスサムゲームの中で、一般参加者は、機関投資家や一部のプロトレーダーを相手に勝負することになるのです。ビギナーズラックで勝ち続けられる世界ではないのです。数回勝つことがあっても続けていればとことんやられます。
トレードは買いから入るロング、売りから入るショート、この2択だけなので非常にシンプルであり、株の空売りのような貸株料や逆日歩といったものなども存在しませんので、初心者にとっても参入しやすい市場なのです。
機関投資家やプロトレーダーが何億何十億と勝ち得たお金は、一般市場参加者から集めたお金です。そういった一部の勝ち組が大金を勝ち取っている裏側には、9割のその他参加者が必然的に負けている現状があるということです。
BTCFXは参加しやすいし大きく勝てるチャンスがある、しかし毎回ロスカットを喰らってどんどん資金が減っていく、そうなったらもう取り返そうとしないで今すぐにやめるべき、画面に張り付いている時間も無駄にしています。早く気付くべきです。
BTCFXの場合は、円(JPY)とBTCのトレード、ドル(USD)とBTCのトレードといったふうに利益は法定通貨です。勝っている人は円やドルで利益を得ているので、BTCFXの市場がどんなに拡大しても、仮想通貨市場全体(時価総額)が拡大することはありません。
一方で長期保有の場合はどうでしょうか?
ガチホは本来の投資の姿
よく、ガッチリホールドすることをガチホと言いますが、長期保有=ガチホで良いと思います。
私みたいに安い取引所で買って高い取引所で売る、いわゆるアービトラージをしている人の中でリスクゼロの手法を取っている人は、売買を繰り返していても、枚数を減らす(マイナスになる)ことはないのでガチホしていることに変わりはありません。
アービトラージのような売買をしている人を除けば、上がるか下がるかを予測してトレードするという常にリスクを取っているトレーダーです。ガチホとトレードと資金を分けてやっている人も中にはいますが。
チャットや掲示板、ツイッター等で、長期保有、ガチホしている人に対して口悪く言う人を時々見かけます。トレードできない弱虫といったところでしょうか。
ガチホでない人はどういう人かというと、短期で買いや売りを繰り返している人ということですよね。先ほど書いたように、短期で売買するということは一部の勝ち組を除いてほとんどの人が負けているというのが現状です。
短期トレードの勝ち組は、計り知れない努力と共に投資や投機の世界を広く心得た方たちです。しかし彼らも勝つためには負ける人(負けてくれる人)がいなくてはなりません。
そのようなことから、上級者がガチホの素晴らしさを悪く言うことはないと思いますが、市場に参加していないという点で良くも思っていないでしょう。短期トレードはプロや機関投資家に任せておけば、我々ガチホ組は短期トレードせず、ガチホのままで良いのです。
ガチホは短期トレードのようなマイナスサムゲームに参加しないだけ有利です。いつか手放すときまで手数料や税金も払う必要ありません。ガチホしている人は数年先、或いは数十年先の仮想通貨市場が拡大するのを期待して、そのときが来たら売って利益を得るのです。(中にはそのまま持っておくという方も・・・)
もちろんガチホし続けていても将来値上がりするとは限りません。ICOや草コイン等狙わずに、時価総額上位の仮想通貨を買ってガチホ、そのほうが長期において値上がりの期待は持てると思っています。
ガチホと決めたなら、あとは出口を決めておくことです。〇〇円になったら売る、若しくは半分売って残りは〇〇円になったら売る、又は3年後に売る、若しくは3年間はガチホを通して3年後の状況で再度設定する等、決めておくことはとても重要です。何も決めずに上がったら売ろう、だけではガチホとしては不十分です。
まとめ
短期トレードは、投機であり市場参加者のお金の奪い合い、取られたら取り返せの世界です。そのような世界で勝ち続けている人は本当にすごいと思います。それに憧れてすぐに同じようになれるものではありません。勝ち続けている一部のプロたちは、何とも計り知れない努力をされてきた方たちです。
長期保有であるガチホは、投資であり将来の値上がりを期待して我慢強く待つ、或いは期日を決めてそれまで忘れて放置しておくのも良いかもしれません。短期トレードのようにテクニカル分析などの手法や勉強も必要なく、画面に張り付いている時間も必要ありません。
短期トレードでも長期保有でも最終的にプラスであれば結果オーライなわけですが、これから始める方で短期トレードで勝負するのは私は絶対にお勧めしません。理由は書いた通り、プロトレーダーや機関投資家を相手に素人が勝負してるようなものだからです。
株やFXと同じく勝ち続けるためにはプロトレーダーの域まで達しないと、当然ですがそれをビジネスにすることは不可能です。仮想通貨のプロトレーダーになって勝ち続けるためには、それだけの時間を研究に勉強に費やさないといけません。熱心に頑張ったところで絶対に勝てるトレーダーになれるかどうかもわかりません。
そんな絶対的不利な短期トレードを繰り返すよりは、将来に投資するという意味で長期保有に徹するほうが私はお勧めだと思っています。仮想通貨を保有しておくということは、将来の値上がりを期待するだけでなく、円暴落に対してのリスクヘッジにもなりますからね。
私はリップル(XRP)推しです(笑)