低成長時代の日本は、この先も少子化に向かい、長期に低成長が続くものと思われます。そこで海外に目を向け、安心して利用できる海外銀行の高金利口座を比較してみます。
これまでフィリピン・オウン銀行についてのお話を取り上げてきましたが、他国の高金利口座はどのようなものがあるのでしょうか。まずはもう一度、オウン銀行からご紹介したいと思います。
フィリピン・オウン銀行
フィリピンの銀行は、外国人の預金に対してもフィリピン政府がペイオフ制度を適用しており、日本人が口座を開設するには最適な環境です。
オウン銀行は小さな銀行ですが、フィリピン国内で60年以上も長きにわたり運営されている歴史ある銀行でもあります。金利も高いことから海外から多くの富裕層が定期預金口座を開設しているような状況です。
オウン銀行の定期預金金利を見てみると、1年満期であればドル建てで8%~9%超、5年満期で10%~11%超とかなりの高金利と言えます。フィリピンのペソ建てであれば、1年満期で10%~11%超、5年満期であれば最大14%となっており、大変お得な預金金利となっています。
(※2019年4月27日追記:ペソ建ての1年定期及び3年定期の新規申込みは現在廃止されています。)
こうした金利の高さは通常リスクも反映されるものですが、フィリピンの今後の高い経済成長への期待や外国人にもペイオフ制度が適用されるといった安心できる面から、資産運用や保全先の一つとして考える富裕層が数多くいるのも事実です。
フィリピンのオウン銀行の口座開設は、以前は現地の住所が必要でしたが、現在は、日本にいても口座開設ができるようになっており、申し込み者が急増しています。
モンゴル・ハーン銀行
モンゴルの銀行で、全て日本語で口座開設ができる銀行の一つに「ハーン銀行」があります。ハーン銀行で口座を開設すると、モンゴルの現地通貨トゥグルグで定期預金の利率が15%~18%程度となっています。
資源開発もまだ進んでいますので、今後も金利は上昇するものと思われます。過去からの状況をみてもモンゴルのハーン銀行は、為替手数料を考えても、コスパ抜群の銀行だと言えます。ただ、金利は高いですがインフレ状態にあり、通貨そのものはマイナーで世界的にみると弱い存在です。
中国への依存度が高いモンゴルです。モンゴル国内の景気がよい状態であればハーン銀行に預けていても良いとは思いますが、政情不安や中国経済の落ち込みが始まってしまうと、モンゴル国内での影響も大きくなると予想されるため、手数料を払って定期預金を解約してでも、日本円に戻しておいたほうが良いかもしれません。
また、モンゴルは人口の少ない国で通貨もマイナーです。現地通貨を保有していると、金利の高さは逆にリスクとも考えられ、ハイリスクハイリターンの海外の高金利な銀行として、経験豊富な投資家には良い銀行かもしれません。
[kanren postid=”853″]カンボジア・アクレダ銀行
比較的安全に運用できる高金利な海外の銀行の一つとして、カンボジアの「アクレダ銀行」があります。郵送のみで米ドル建ての定期預金口座が開設できるため、口座開設までのハードルが低く、初めてでも始めやすい海外銀行です。
アクレダ銀行の株主には、日本のメガバンク三井住友銀行やオリックスなどの存在もあり、カンボジア最大の銀行として、海外から見ると存在感や安定感のある優良銀行です。
気になる定期預金の金利ですが、一年定期預金が約5%程度、5年を超える定期預金なら7%超の金利を誇っています。アクレダ銀行は、株主に日本の銀行も名を連ねるほどです。
欧米系の人材が経営陣に入っており、グローバルな舵取りを行っている印象を受けます。不良債権比率も低く、健全経営を貫いている銀行です。
カンボジアの通貨・リエルの信用が低く、米ドルの通貨が主流となっています。高金利はリスクの現れです。銀行に預金を預けない国民性により、必然的に金利が高くなっています。
カンボジアのアクレダ銀行は、リスクを管理できる人には、おすすめできる高金利な海外銀行と言えるでしょう。
[kanren postid=”948″]アゼルバイジャン・アゼルバイジャン国際銀行
アゼルバイジャンの「アゼルバイジャン国際銀行」も、定期預金の金利が高いことで以前から有名です。ところが、2015年以降自国通貨が固定相場制から変動相場制に移行したことにより、急激に為替相場が変動するようになっており、注意が必要です。
現在は1年満期で8%、5年満期で10%、10年満期だと11.5%程度になっています。以前はもっと金利が高い時期があったようです。
カンボジアと同様に銀行の信用が低いため、銀行にお金を預けないのが一般的です。歴史が浅くリスクも高いことから高金利は今後も続きそうです。
アゼルバイジャン国際銀行の銀行口座も郵送で口座開設が可能になっています。信頼できる代理人がいれば、簡単に銀行口座を開設することができるでしょう。
ただ、世界的にみるとマイナーな国であり、日本でも知る人は少ないように思います。ところが富裕層となれば、アゼルバイジャンは高金利の国であることはよく知られています。
リスクを取りながらも高収益を上げたい人で、信頼できる代理人を立てることができれば、アゼルバイジャンほど投資をするのに面白い国はないかもしれません。
まとめ
海外銀行の中でも、高金利な預金ができる銀行を比較してみました。これらの銀行は日本の銀行と比較すらできない金利の高さです。
残念ながら日本の銀行では金利より銀行に支払う手数料のほうが勝ります。これが現在の日本の常識であり、外国人からすると非常識にすら見えるほどです。
この他にも海外の高金利な銀行はまだまだあります。その中でも日本人が最も安心して口座開設できる銀行は、やはりペイオフが外国人にも適用されるフィリピンの銀行でしょう。
多少のリスクを容認して高金利を狙うなら他の国の銀行でも良いですが、これからの国の経済発展から将来性を考えるならフィリピンの大手BDO銀行やメトロポリタン銀行に口座開設するのも良いですし、高金利なオウン銀行でもBDO銀行と同じく預金保護を受けながら安心して口座開設ができます。
ペイオフがないと心配、というわけではありませんので(汗)オウン銀行は安心できる銀行だと思っています。