海外の高金利な定期預金、今回はベトナムのベトコン銀行について書いてみようと思います。
ベトコン銀行(Vietcombank)はベトナムの大手銀行の一つで、50年以上の歴史あるベトナムトップバンクです。首都ハノイに本部を置き、支店や事務所を含め国内外に500ヶ所以上拠点を置いています。
また、ベトコン銀行は150以上の国に、1700以上の銀行とコルレス契約を結んでいます。その中には日本のメガバンクであるみずほの他、多くの地銀とも業務提携をしていて、海外送金における中継銀行としての役割も大きいと言えます。(コルレス契約とは、両行が提携し互いの口座を置くことで海外送金の受取りを可能にすること。)
ベトナムという国は、一時期は経済的な不安要素があった国でしたが、近年ではGDPの成長率が6.5%を上回り、ASEAN諸国の中でも経済成長率が高く上昇している国でもあります。今後も経済発展においてはかなりの伸び代があるのではないでしょうか。
ベトナムの通貨ドン(VND)は現在(2019年4月)のレートで0.0048円、過去5年のレート推移ではそこそこ安定している通貨と言えそうです。物価も日本より安く、利用する店舗や施設等により異なりますが、およそ半分くらいと思って良いでしょう。
こういった点を総合的に含めて考えるとベトコン銀行のようにベトナムトップに位置しているような大手銀行で、資産運用目的での預金口座開設は意義のあることだと言えるのではないでしょうか。
預金できる通貨の種類と金利(普通預金・定期預金)
ベトコン銀行での普通預金の金利は現時点で0.1%、預入可能通貨は自国通貨のドン(VND)の他、USD、EUR、JPY等多種多様です。金利に関しては高いとは言えませんが日本の定期預金利率よりは良いかもしれないですね。
定期預金もUSDやEURで預入が可能ですが、高い金利が期待できるのはVNDのみです。VNDの定期預金金利は3ヶ月で5.0%, 6ヶ月で5.5%、1年~5年で6.8%と高い金利が付きます。(2019年4月現在)
定期預金に最低預入金額の設定はありません。
普通預金 | 0.1% | |
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定期預金 | 1ヶ月、2ヶ月 | 4.5% |
3ヶ月 | 5.0% | |
6ヶ月、9ヶ月 | 5.5% | |
1年~5年 | 6.8% |
万が一、定期預金の満期を迎える前に解約した場合には、ペナルティとして0.3%の金利に戻されます。
ペイオフ(預金保護)と口座開設方法
ベトナムでの預金保護に関しては過去何度か見直しされてきていますが、現時点(2019年4月現在)では7,500万VNDとなっています。
ベトナムの預金保険機構であるDIV(Deposit Insurance of VietNam)によると近年、5,000万VNDから7,500万VNDに引き上げられたようです。7,500万VNDでも日本円にすると36万円程度なので、日本人からするとちょっと少ないと思うかもしれない額ですね。
DIVの記述によると全ての預金に対して7,500万VNDまで保護されるとありますので、預金保護は非居住者に対しても適用されることになります。
その非居住者がベトコン銀行で口座開設するための要件は、まずオンラインでの申し込みはできないため直接ベトナム国内で開設する必要があります。
ただ、残念ながら旅行に行った際に気軽に開設することはできず、あくまでも非居住者としてベトナムに滞在している場合のみに開設することが可能となっています。
口座開設に必要なものは、パスポート、ビザ、ベトナム居住の証明となるもの、です。
口座開設の際にインターネットバンキングの登録も可能です。ただし月々の口座維持費が少額ですがかかります。海外からのアクセスも可能で、口座の残高確認なども簡単にできるようになっています。
まとめ
ベトコン銀行は大手銀行の中でも最も有名な銀行として知られ、ベトナム最大の取引所であるホーチミン証券取引所に上場している銀行でもあることから、ベトナムでは最も安心、信頼できる銀行と言えるのではないでしょうか。
東南アジアの中ではベトナムも現在目覚ましい発展を続けている国です。国際的に見ても国力としても安定しつつあるので、資産運用目的に定期預金口座を開設することを考えても良いと思います。
ただ、やはり先進国のように経済がある程度安定しているということでは無いので、あくまでもリスクはあることも受け止めておいた方が良いように思います。
ベトコン銀行がベトナム国内では大手であることは確かですが、状況はいつどのように変わっていくかわかりませんので、口座開設される場合は常にベトナム国内の政情や経済などの情報には目を向けておく必要があります。