資産運用先として最適なオウン銀行の定期預金ですが、実際にどれくらいのリターンになるのか、という質問をいただきましたので私なりにシミュレーションしてみました。いくつかのケースで考えてみたのですが、参考にしていただければと思います。
オウン銀行はドル建ての定期預金とペソ建ての定期預金とありますが、資産保全において保有しておきたい通貨としては、世界の基軸通貨であるドル(USD)となりますので、ここではドル建ての資産運用シミュレーションを考えてみたいと思います。
オウン銀行の定期預金は1年満期・3年満期・5年満期とあります。また、その期間と預入額により金利が異なり、それぞれの金利は2017年4月現在、下記の通りとなっています。
この金利表を用いて、それぞれの期間と預入額において見ていきたいと思います。(2019年6月現在:金利は変わりありません)
預金額 | 1年満期 | 3年満期 | 5年満期 |
金利 | 金利 | 金利 | |
25,000USD未満 | 8.5% | 9.3% | 10.1% |
25,000USD以上 | 8.9% | 9.8% | 10.7% |
100,000USD以上 | 9.5% | 10.5% | 11.5% |
最も利率が高い100,000USDで定期預金
現在100,000USDだと、円換算で約11,000,000円となります。かなり大きな額ですが、この場合のシミュレーションは下記の通りとなります。
預入額100,000USD・・・1年定期の場合・・・満期時に109,500USD受取り
預入額100,000USD・・・3年定期の場合・・・満期時に131,500USD受取り
預入額100,000USD・・・5年定期の場合・・・満期時に157,500USD受取り
全額預金保護対象とした場合
フィリピンのペイオフ制度は現地通貨で、単体で50万ペソまで預金保護されます。更に共同口座を作成することで預金保護の対象になる額を拡大することが可能です。
ペイオフの詳細は以前の記事で取り上げましたのでこちらも是非ご覧ください。
[kanren postid=”566″]1人単独の場合
10,000USDで定期預金を組んだ場合、ペソ換算すると為替の変動により変わってはきますが、約500,000ペソとなりますのでほぼ全額保護の対象となります。
ですので私は大切な資産を分散するにあたり、その分散先の一つとしてオウン銀行に1万USドルを定期預金するのがリスクのない堅実な方法かと思っています。(誤解のないように、決してオウン銀行が倒産の危機にあるから・・という意味ではありません。)
預入額10,000USD・・・1年定期の場合・・・満期時に10,850USD受取り
預入額10,000USD・・・3年定期の場合・・・満期時に12,790USD受取り
預入額10,000USD・・・5年定期の場合・・・満期時に15,050USD受取り
夫婦二人で預金保護枠を最大限利用
夫婦二人で共同口座を作れば、単独口座と併せて1,500,000ペソまで預金保護の対象となります。夫婦それぞれのパスポートが必要となります。
1,500,000ペソに相当する30,000USDを定期預金した場合のシミュレーションは下記のようになります。
夫の単独口座・・・10,000USD
妻の単独口座・・・10,000USD
夫と妻の共同口座・・・10,000USD
(共同口座の持分割合 夫5,000USD 妻5,000USDとする)
これで3つの口座を作ることになり、合計30,000USDがほぼ預金保護枠となります。
預入額30,000USD・・・1年定期の場合・・・満期時に32,670USD受取り
預入額30,000USD・・・3年定期の場合・・・満期時に38,820USD受取り
預入額30,000USD・・・5年定期の場合・・・満期時に46,050USD受取り
定期預金をして損をするケース
定期預金をすることで損してしまうケースもあります。どのようなケースかというと、満期時の為替が大幅にドル安円高になってしまった場合です。
外貨で預金する以上は避けようがありません。下のようなケースではせっかくの高金利なメリットが活かされずに終わってしまいます。10,000USDを5年定期で預金した場合で見てみます。
5年満期時の受取り15,050USD・・・しかし5年の間に1ドル120円だったのが1ドル80円に
満期時の為替が1ドル80円・・・15,050USD=1,204,000円受取り
クレジットカード送金手数料1,200,000円×1.5%=18,000円
これらを合計すると14,000円の損となります。
しかしこれだけの為替の変動(円高)であっても、金利が高いために大きく損をすることはないと言えます。反対の想定をすると、満期時の為替が預入時の為替より円安になっていれば金利による利息と為替差益とダブルで恩恵を受けることになります。
将来の為替の変動ばかりは読めませんので、上の例では少し極端かもしれませんが、最悪のケースとして頭に入れておいたほうが良いかもしれません。
また、私がオウン銀行にてスタッフさんに確認したところ、満期時の定期預金を普通預金に移された後、すぐに日本円に戻す(送金する)必要はないそうです。少し時期をずらして円安になるのを待つか、或いは定期預金を再度組み直すことも可能ですので、ある程度は為替変動に対応することができると言えます。
まとめ
以上、オウン銀行の金額別、期間別のシミュレーションでした。資産の保全に日本円だけを持つのではなく、ドルとして持つことは円安に対してのリスクヘッジともなります。
ドルとして持つなら少しでも金利が高いところが良いですよね。フィリピンの預金保護制度を活用した形で資産保全することは、非常に有効的だと私は思います。
オウン銀行の口座開設申込みから記入、郵送方法等、口座開設手順をわかりやすくまとめましたので、興味ある方はこちらの記事も是非ご覧ください。