成長著しいフィリピンですが、私がフィリピンのオウン銀行に定期預金をした理由の一つにペイオフ制度の存在があります。フィリピン政府のペイオフ制度は非常に魅力的で、ここを抑えておけばたとえ海外であっても安心して預金口座を持つことができます。
そんなフィリピンの魅力的なペイオフ制度について詳細をお伝えします。
日本のペイオフ制度では、預金口座の種別(普通預金口座、当座預金口座など)によって扱いに違いがありますが、日本の場合は1,000万円とその利息等が預金保険機構により保護の対象となります。
これは1つの金融機関に対してなので、富裕層の方々は1つの銀行に全額預金するということはなく、いくつもの銀行に1,000万円ずつ預金される形を取られていると思います。
預金保護額は一律で、銀行の大小に関係しません。大手の都銀であっても店舗数の少ない信用金庫であっても保護される金額は同じです。
但し、先ほど口座の種別によって扱いに違いがあると言いましたが、外貨定期預金等は預金保護の対象外となります。
日本の金融機関で外貨預金を申し込んだ場合、普通預金や定期預金と比べると利息が高かったりしますが、万が一その金融機関が破綻してしまうと預けた預金は1円も保護されません。
フィリピンのペイオフ制度のメリット
フィリピンのペイオフ制度で日本との違いは以下の通りです。
・外国人の預金でも預金保護の対象になる
・共同名義口座を作成することでペイオフの限度額を増やすことが可能
日本だけでなく世界各国には、金融機関が預金残高に応じた保険料を支払って万が一に備える預金保険制度があります。フィリピンの預金保険機構は、Philippine Deposit Insurance Corporationと言ってその頭文字を取って「PDIC」と言われます。
フィリピンで認可を受けた銀行は全てこのPDICの保証対象となります。
PDICの保証対象となっているフィリピンの銀行は、我々日本人も含め、外国人全ての預金に対して保護してもらえます。その保護限度額は50万ペソとなっており、現在の為替レートからすると、約115万円が上限となっています。
(2019年5月8日追記:現在のフィリピンペソレートは約2.1円。50万ペソなら約105万円です。)
日本の1,000万円と比べるとかなり少ないですが・・。フィリピン人からすると我々日本人のようにお金を貯める、という習慣があまりないらしく50万ペソが少ない、という感覚ではないらしいです。
ただ、預金保護限度額が50万ペソというのは単独名義口座の場合です。フィリピンの場合は共同名義口座を作ることで、単独名義口座の50万ペソに加えて更に保護額が拡大されます。
共同名義口座の場合はやや手続きが面倒ですが、以下の条件で保護対象となります。
・共同名義口座を構成する各名義人ごとの合算預金額の保護限度額が50万ペソ
・各共同名義口座ごとの保護限度額は50万ペソ
ということで、共同名義口座については各人ごとに50万ペソ、各口座ごとに50万ペソが保護対象となり、単独名義口座と合算することができます。この単独名義口座と共同名義口座を組み合わせることによって、
・夫と妻の2人で合計150万ペソ(約345万円)
・夫と妻と子供の3人で合計300万ペソ(約690万円)
・夫と妻と子供二人の4人で合計400万ペソ(約920万円)
(2019年5月8日追記:現在のフィリピンペソレートは約2.1円。それぞれ順に約315万円、630万円、840万円)
が預金保護対象となります。更に言うと親族に限らず、友人や知人でも共同名義口座を組むことは可能です。いくら信頼できる友人でも共同名義口座を作るといったことはないと思いますが・・・相手や人数に制限はありません。
私はこの制度を利用して家族3人でフィリピン、オウン銀行の単独名義口座と共同名義口座を複数開設しました。これによって6つの定期預金証書と6つの通帳を持つことになりました。
こんなに要らないって感じですが(汗)しかし預金保護枠が増えたことによって万が一の銀行破綻にも安心していられるというメリットがあるわけです。
実際に銀行が破綻してしまった場合の手続きは?
万が一銀行が破綻してしまった場合、我々日本人の預金もPDICにより保護される、と言っても実際どう手続きすれば良いのか、出来るかどうか心配になってきますよね。
まず、必要なものは以下の通りです。
・通帳、定期預金証書、小切手などの預金の証拠となるもの
・パスポート、運転免許証など、身分を証明するもの(2点必要)
・クレームフォーム これはPDICのホームページから書類をダウンロードします
これらをPDICに直接提出します。郵送も可能で、送り先の住所もPDICのホームページに出ています。
郵送して不備があったり足りないものがあるとPDICから通知が郵送されますので、英語が苦手な人は翻訳ソフトを使うより誰か英語のできる人に頼むか、翻訳サービスを提供している会社に依頼して訳してもらうほうが確実だと思います。
また、ペイオフを申請(請求)する期限があり、それを過ぎると受け付けてもらえなくなりますので注意が必要です。ただ、申請受付期間としては銀行破綻日から2年間ありますので、期限がなくて慌てふためきパニック・・といったことはないでしょう。
因みにドル預金の場合は、銀行が破綻した日の為替レートによりペソ換算されます。
まとめ
フィリピンのペイオフ制度は共同名義口座の作成により預金保護額が変わるということですね。50万ペソを超える場合は可能な限り共同名義口座を作成しましょう。
私はこのような、魅力的なペイオフ制度があったので、オウン銀行に定期預金口座を開設しました。オウン銀行は街の小さな銀行ですが、ペイオフ制度には銀行の大小は関係ありません。
ちゃんと調べておけば海外の預金であっても心配ありません。安心して海外へ分散投資、基本ですね。